日本民藝館

第一に、いっさいが無銘品であることであります。ここでは作者の署名が無いのを通則と致します。

第二は、いっさいが何らかの意味で実用性を持つことであります。決して鑑賞されるために作られたのではありません。

第三は、数多く作られ、また安く売られる品々であります。決して高価な希有な品ではありません。

第四に、いずれも伝統を持つ作品であって、決して個性を主とした品ではなく、いずれも非個人的な特色を持ちます。

第五に、簡素で質実な性質を持ちます。これは用をむねとして作る必然の結果ともいえましょう。

第六は、総じて健康であり尋常な品であります。決して病的な異教の品ではありません。

第七に、ここで民衆と美との厚い結縁が見られます。これは凡人すらなお美しい品を生み得る証拠ともなります。

第八は、それらが他力的性質を持つことを示します。職人たちは自力で立てる境遇にはいないからであります。

柳 宗悦 

バタフライスツールなどで有名な柳宗理のお父さん、柳宗悦が作った日本民芸館。
ここにある品々は、普通の職人たちが自分の美意識に基づき、普段の生活のために、作ったものが多いのだけれども、それは美術品とも言えるほどクオリティの高いものが多い。
そんな美意識が根付いた民族の一員であることを誇りに思います。

日本民藝館

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